本屋のひとりごと その11
藤原正彦氏は、新潮新書『国家の品格』のなかで、「市場原理主義の前提は、『まずは公平に戦いましょう』です。公平に戦った結果だから、勝者が全部取って構わない。しかし、武士道精神によれば大きい者が小さい者と戦いやっつけることは『卑怯』である」と書いている。 また、「文明は進歩しても、文化は退歩することがある」「人間は利益のためなら、いとも簡単に美しい言葉や見事な論理を作り出すのです」とも述べている。決して、経済活動を否定する書ではないが、その本質について描いており、興味深い。